妊娠率=発情発見率×受胎率
であることをしている方も多いと思います。今回は妊娠率の意味をイメージできるように解説します。
21日妊娠率は、ある21日間の期間を設定します。そして今回は例として、その期間に50頭の授精対象牛(その期間に発情がくるであろう牛)がいたとしましょう。
CHATGPTを使って50頭の乳牛を書いてもらいました。この50頭が授精対象牛です。
決められた21日間の間で、25頭に授精をしました。すると
発情発見率=25頭/50頭×100=50%
となります。以下の色が変わっている牛が授精された牛としましょう。
その後の妊娠鑑定では、10頭が妊娠プラスであったとします。ここで、受胎率は
受胎率 10頭/25頭=40%
となりました。☆印の牛が妊娠した牛です。
妊娠率は発情発見率×受胎率なので
発情発見率50%×受胎率40%=20% (0.5×0.4×100=20%)
となりました。このようなイメージです。
このように妊娠率とは21日間という期間の中で獲得できた妊娠牛の割合を指します。
期間が区切られていることから、繁殖の回転の速さ、繁殖のスピードを表す数値ともとれます。
受胎率と妊娠率の違いを、全く違う例を用いていうと
受胎率は「42.195㎞を走った!」
妊娠率は「42.195㎞を3時間で走った!」
ということでしょうか。受胎率の方では、42.195㎞を走ったことは素晴らしいですが、タイムが分かりません。もしかすると1週間かけて走ったのかもしれません。しかし、妊娠率のように、3時間で走ったということは、時間を含めて考えるとやはりすごいことと思います。
妊娠率にはこのスピードという感覚が含まれていることが重要です。
それでは妊娠率の目標値はどれくらいでしょうか。
優秀 25%以上
良い 20%~24%
改善必要 17~19%
要注意 17%以下
経験的なものになりますが、これくらいの数値を目安にしてください。
補足情報としてProgressive Dairymanのセミナーで紹介されていたアメリカでの妊娠率を以下に示しました。
1998年のミネソタ州の平均は14%
州は異なりますが、2019年のウィスコンシン州の平均は23.2%となっているようです。妊娠率40%超えの農場もあり、ちょっと異常とも言える数値ですが、30%超えが普通にあるのもびっくりですね。
約20年で妊娠率は大きく改善しています。この改善に大きく貢献しているのが、分娩後初回授精に向けた授精プログラムであると考えています。この詳細については追って紹介します。
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